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卑怯なボクは深海魚

第1章 見なかった事には出来ない


――――――――…



「あ、辻山(ツジヤマ)――――…帰るのか?」




クラスメイトに呼び止められ



ボク、辻山 健太(ツジヤマケンタ)は、振り向く




「あぁ、――――観たい映画が今日までだったんだ…今からだとレイトショーになるけど…」




「相変わらず映画好きだな…」





中学から一緒に高校に進学した菊池がゴミ箱を手に俺の唯一の趣味を呆れた顔で眺めている




「ん?菊池ごみ捨てか?――――…まだ、時間あるしゴミだしてやろうか?」





「マジで?辻山~いいやつだな!お前!」





別に…いい奴では無いが…




そうでもしないと…




ボクはボク自身を騙せなくなりそうで…いつも怖いんだ…





本当のボクは…多分…こんなにいい奴では無い…





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