卑怯なボクは深海魚
第4章 不愉快なオアシス
ー長谷川sideー
「キャプテン…どうしたんすか?調子悪いっすね――――…パスミスとかめずらしいっすから…」
「悪い!明日――――…試合だと思うと緊張するんだよ」
――――…調子が悪いのは確かだ…
足が重い――――…頭が回らない…
それもこれも――――…手の震えのせいだ
明日が――――…高校最後の試合だと思うと…尚更
彼女との…セックスで震えが止まるかと思ったのに
当てが外れた――――…
そこまでのストレスだとは思っていなかったのに…
そうとう…神経に来ていたらしい
――――――――…最後の手段しかないのか?
“万引き”
と、言う言葉が脳裏に浮かんだ――――…
本当の最終手段…
犯罪レベルの――――…集中力と達成感…
これでないと――――…もう…
この…震えは止まらないのかも知れない