卑怯なボクは深海魚
第4章 不愉快なオアシス
「はい!長谷川先輩!お疲れ様です!」
女子マネージャーが緊張ぎみに俺にタオルを差し出す
彼女の目が…女の色気を出している
彼女がいるって――――…知ってるくせに…
女は…恋愛に積極的で貪欲だ
本当の俺を知らないくせに…
この子も…お菓子のパッケージみたいに…男を選ぶのだろうか
中身も考えずに…見ためや…評判だけで…俺は選ばれているのだろうか…
自分で言うのもなんだが――――…
俺は完璧な男だと思う――――…
でも、そんなイメージの影で…
万引きを繰り返す
最低なクズなのに――――…