卑怯なボクは深海魚
第4章 不愉快なオアシス
一人取り残された俺は…
回収されなかったお茶を飲み――――…
空を見上げた
「――――…キス…か…」
昼間の空は――――…夜の公園で見た空とは違って真っ青に初夏をアピールしていた
暑くなる――――…夏が来る
時計を見ると――――…そろそろ午後の授業が始まる
いつもなら…とっくに屋上を出ている時間だが
なんだか――――…動く気がしなかった
明日…準決勝――――…
怒って出ていった――――…彼女
期末の――――…試験勉強
やることは…沢山有るのに
今日は…体が動かない
ヤバイな――――…
俺はスマホを取り出し…お守りを探す
――――…が、スマホがカバンの中だと気がつき…「チッ」と、舌打ちをする
――――…ガタ
その時、屋上のドアが開く音に――――俺は反射的に目を向けた
「あっ…」
「!ハッ…」
そこには…
1年2組 辻山 健太が――――…
目を丸くし…
驚いた顔をして立っていた――――…