jump
第1章 夢
頑張るしかない
アタシ頑張れ
「あらら
あの子かわいそう向かい風になったな」
「まあアクシデントも運も実力のうちやろ」
アタシは走るのは得意
3歩走って飛ぶ
60メートルハードル
「泉ぃ12秒
小学生より遅いわっ
あんたやる気あるの?」
ざわざわ
「…はい」
「あらら
かわいそう…あの子ハードルに向いてないんじゃないのかな?」
「なんだ…あれ」
「はあ?どーしたキョウ?」
「見なかったのかよっ!!!お前ら」
「「見てた」」
「すげえ
あれ!!あのチッコイのバレー部入れるぞ」
「「はあああああ?」」
「本当にお前らなんとも思わなかったんかよ」
「キョウあんなチビッ子にバレーって」
「バーカ
あの向かい風の中フエと共にすんなり走ったんだよ!」
「ああ…でもバレーとは関係ねーだろ」
「持久力!あの踏ん張り
あの短い足で3歩でジャンプ
また助走もなくジャンプ」
「ハードルやってる人は皆そうじゃないの?」
「しかも12秒って…一緒に走った子もっとはやかったじゃん」
「だからよー
本当見てなかったんだな
あのチビッ子のジャンプ力
あの手足長い奴の倍以上高く跳んでたやろ」
「ああ…言われてみれば」
「あいつはハードルに向いてねぇんだよ
自分が小さいの分かってるから高く跳びすぎて足が地面につくのが遅くなる
そう普通の奴よりジャンプしたまま空中に居る時間が長いんやつーの」
「じゃ…」