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安住の地はマンションでした

第1章 mission1:抜け出せ!!

一一カシャン。


そして、牢獄の鍵が外された。

ふぅ……と、小さく息をついて。

「海くん!!」
「あぁ、行くぞ!」

僕たちは駆け出した。
ほんのわずかな希望にかけて……!

♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎

赤いランプがウーウー鳴ってる。
そりゃそうだ。緊急事態だもんな!ははは!

広い、広い施設内を駆け抜けながら呑気にそんな事を考える。
ふっふっふ、まだまだ余裕あるな。

でも、でも……

「出口どこだぁあぁぁあー」
「確かにそうだな……。道行く乙女にでも聞いてみようか」
「それしかない!」

行け、海くん!
イケメン海くん!!

鼻筋の通った、オオカミさんみたいなお顔立ち。
なんて言ったら良いんだろう?
切れ長で、可愛いじゃなくてかっこいいの部類に入る海くん。
僕とは対照的にすらっと身長も高いし、監獄の中でも筋トレなんかしちゃってさ。
腹筋もしっかり割れてるんだよ!

とにかく女の子の弱そうなタイプ。

と、資料を沢山抱えたおさげの眼鏡っ娘が!!

「ねぇ、お姉さん」
「はい、なんでしょ…………?!」

言葉に詰まるお姉さん。
そうだろうそうだろう。
海くんは見惚れるほどのイケメンなんだ!!
僕の自慢のお兄ちゃん。

「出口、どっちでしたっけ?」
「み、み、右側の通路、をまっすぐ行って、階段を上へ。ドアのセキュリティを、か、解除すれば外ですけど……?」
「ありがとうございます、お姉さん。このお礼は生きている間にどこかで」
「ありがとっ、お姉さん大好き!」
「えっ、えっ?あなた達は……?!」

凄い、素敵な方々……。

元々耳が良い上に満月パワーでいつもより全ての機能が上昇してるから、お姉さんが何を言ったかよく聞こえた。
そうでしょ?もっと言って!
んでもって多分、僕たちケモノが閉じ込められていることは知らないんだろうな。
コッカサイコウキミツってやつみたいだから。
でもおかげで助かった!

「あ、セキュリティがどうのって言ってたな……?」
「それに関しては問題無しだよぉ〜!見て、コレ」

僕の手には。

「さっきのお姉さんのセキュリティカード!!」
「ぴんぽんぱんぽーん、正解!借りたの」
「でかした空!!……ぴんぽんぱんぽーん、じゃなくてぴんぽんぴんぽーんじゃないのか?」
「この際こまかいことはいーのっ!海くん、前っ、前っ」

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