笑い、滴り、装い、眠る。
第7章 雨の日は家にいて
和「翔さんて、俺と付き合ってる時はそうでもなかったんだけと、かなり甘えん坊なんだね?」
「そうなの?」
和「だって、一緒に風呂入ろうだの、一緒に寝ようだの、子供じゃん?」
「カズくんが年下だったから見栄はってたのかな?」
笑い合いながら、カズくんの手土産のケーキをつついた。
「美味しい!これ、どこの?」
和「これ、コンビニで買ってきたの。新商品なんだ、って雅紀が言ってた。」
「へぇ…」
何気に時計を見ると、もう五時半。
「いけない!!買い出しに行かなきゃ。」
和「んじゃ、俺、帰ります。」
ごちそうさま、と、カズくんは自分の使ったカップをキッチンに運んでくれた。
「あ、ありがと。」
和「どういたしまして。いつもお邪魔してるし?」
そう。今じゃカズくんは僕の茶飲み友達。
こうしてたまに予定が合うと遊びに来てくれる。
それを翔くんに話したら「女子会かよ?」って、突っ込まれたけど。
ムカついて次の日ガン無視してやったら、「すいませんでした」って頭下げてきた。
買い物を終え、あと少しでマンションに着くという時、翔くんと鉢合わせる。
翔「荷物、持つよ?」
「ありがと。」
手が空いて、手持ち無沙汰になった手に、翔くんの少し大きな手が重なる。
翔「今日の晩飯、何?」
「ふふっ。翔くんてばそればっか。」
翔「わっ…悪いか?」
「ううん。可愛い、って言ってんの。」
翔「…あんま嬉しくない。」
「僕は嬉しいよ?翔くんが可愛くて?出来ればいつまでも可愛いままで居てくれたらもっと嬉しいんだけな?」
翔「…考えとく。」
「…よろしく。」
これからも、
これからもずっと、
ヨロシクね?翔くん?
「雨の日は家にいて」end.