
笑い、滴り、装い、眠る。
第9章 ずっとあなたが好きだった。
晴れて(?)交際宣言をした潤と和を送り出し、失恋?したショックでやけ酒し酔い潰れた雅紀を奥の部屋に寝かしつけ、リビングで二人で飲み直した。
智「ねぇ、翔ちゃん。ホントに海外じゃなくてよかったの?」
「それ、まだ言う?」
真顔で聞いてくる智くんにちょっと笑ってしまう。
「言ったでしょ?お楽しみは後に取っとくんだ、って?」
智「俺はダメ。我慢できない。」
智くんは俺を抱き寄せ、頬にキスしてきた。
「き、今日はダメだ、って?雅紀がいるから。」
智「あ、そっか?」
残念、とか、言いながらも、胡座をかいた膝の上に座るよう、ポンポンと膝を叩いた。
「も、もう。しょうがないな…」
とか、言いながら従う俺の体を智くんが抱きしめてきた。
智「旅行、楽しみだね?」
「そうだね?」
智「待ち遠しいなあ。」
「明日の温泉旅行が?」
智「……じゃなくて、世界一周旅行。」
「え?」
智「それまで…じゃなくて、そのあともずっと一緒にいようね?」
「……うん。」
寝室を雅紀に占領されていた俺と智くんは、
そのままリビングで朝を迎えた。
後日、その話を和や潤に知られてしまい、お盛んだのなんだと冷やかされたのは、
言うまでもない。
「ずっとあなたが好きだった。」end.
