
笑い、滴り、装い、眠る。
第19章 brothers
俺も同感だ。
アイツに先を越されるなんてぜーっったいにイヤだ!
当の翔くんだっていいよ?って言ってくれてんだし?
俺は意を決して翔くんの肩を引き寄せた。
うるうるした目で見上げる翔くん。
可愛すぎるだろ…
こんな感じで迫られて、スルーするヤツいんのか、ってぐらいだよ?
肩に回した手に力が入って、服ん中は汗びっしょり。
翔くんの体をこちらに向け、きゅっと閉じられた唇まであと少し、という時だった。
雅「聞いてよにーちゃん、俺、潤と付き合う…って……あ…」
「「……。」」
雅「……。」
―数十分後―
雅「ごっ…ごめんなさい!!まっ…まさか…にーちゃんたちがチュウしてたなんて……いてっ!!」
露骨な言葉をデカイ声で言う雅紀の頭をフルパワーでぶん殴ってやった。
雅「もー、いったいなあ!殴らなくてもいいだろっ!?」
翔「そ、そうだよ、智くん。落ち着いて?」
これが落ち着いていられるか!!
あと少しだったのに…翔くんの唇まで。
潤「でも、ノックもせずに開けるのはないよなあ?」
翔「ま、まあ…そう……だね?」
と翔くん弟は意味ありげに翔くんを見た。
