赤い糸
第13章 With you
…落ち着け
やっと触れられたこの柔肌
「…京介さ…」
そしてこの甘い声
…落ち着け
自分に言い聞かせていないとすべてが吹っ飛びそうだった。
記憶を無くす前、逢う度に重ねた肌はいつしかお互いの手の内をさらけ出して あうんの呼吸で愛し愛されてた。
でも、今は俺だけがコイツの愛し方を知っている。
「…アッ…ダメ…」
コイツは俺の指と舌がどう動き攻め立てるのかまでは覚えていなかったらしい。
考えてみればこうして肌を重ねるのが一番の薬だったのかもしれない。
だって、俺たちこのベッドの上でどれだけ愛を語った?
ピンク色の愛らしい粒にキスを落とせばすぐに主張することとか
「…ンンッ…」
歯を立てると背中を浮かすこととか
「……ヤッ…ハッァ…」
ピチャピチャとわざと音を立てるように舐め尽くせば逆に肩を縮こませることとか…
「だから、声。」
甘い声を漏らすことを恥じるおまえはいつだってそうやって小さな手を唇に押し当てて塞いでしまう。
…思いっきり啼かせたい…狂わせたい
やっと抱くことができたのに俺ってば本当に最低。
「…ダメです…そこは…イヤっ…」
今のコイツにとっては初めてのセックスだから優しく丁寧に愛してやらなきゃいけないってわかってるのに
「大丈夫、手…貸してみ。」
「…ヒャッ…アアッ…」
言葉とは裏腹に舌を這わすのは甘い蜜が滴るその場所
ジュルりと溢れ落ちそうな蜜を吸い上げれば腰をくねらせ背を反らせ
「…ヤメテ…」
心にもないことを小さな唇から紡ぎ出す。
だから俺はほんの少しだけ理性を飛ばして蕾を吸い上げながら舌で愛しまくってやる。
「…アアッ…お願い…」
そう、これはおまえが好きな愛撫の仕方。
内腿をビクつかせ俺の頭を締め付けて逃げようとするんだ。
…本当はもっとシて欲しいくせに
「イヤっ…」
早く欲しいとねだり始めた蜜壺にツプリと人差し指を忍ばせた。
…ヤバい
たった一本の指を締め付けるその内壁は俺の指を咥えて離さない。
こんなナカに挿れたら一瞬で殺られちまうかも。
味わってしまえば引き返せない媚薬のようなカラダ
本能のまま抱いて俺だけのモノだとわからせたいのに
「…イヤっ…怖い…」
おまえはイク感覚すら覚えていないんだな。
でも、大丈夫…快楽のその先をすぐに思い出させてやるから。