
5色の星☆アソート
第43章 インロックと合鍵と俺 SN4 翔
「翔ちゃん」
焦点の合わないようなぼんやりとした思考は
ニノの低い声に 現実に引き戻された
「翔ちゃんの人生に於いて “ 過ち ”が許せないなら
“ 戯れ ”にしようか。・・それなら汚点にならないよね」
「そんな・・・俺はそんな事言ってるんじゃない。
そうじゃなくて あの時俺は・・」
「“ 酔ってるせい ”そう言ったよ」
「・・え・・?」
「翔ちゃんが 酔ってるせいにしたいのなら
俺もそうする。あの時 俺はそう決めたんだ」
「ニノ・・」
「もういい?俺帰るね」
「ちょっと・・ちょっと待って。ごめん、俺 何の事か・・・」
「いいんだ。覚えてない事こそ、翔ちゃんが酔ってた事の証明だもんね」
「待て、って。俺は良くない」
「俺は良い。・・・お金ここに置くから。じゃあね」
「ニノ!」
