テキストサイズ

Treasure of life

第11章 After the rain

部活が終わって、生徒も帰宅の途につく頃。

「失礼します」

1人の男子生徒がシュンとした顔で職員室に入ってきて、俺と目が合うとこちらにやってきた。

他の先生は会議やらで出払っていた。

「大野先生…、俺の自転車が見当たらないんです…」

この生徒は、1年の知念侑李。

俺は担任を持っていないが、知念は俺が顧問を務める美術部の生徒だった。


状況を詳しく聞くと、部活が終わって帰ろうとしたところ、駐輪場にあるはずの自転車がなくなっていた、ということらしい。

俺は、知念と、ダンス部の活動から戻ってきた加藤諒先生と一緒に探しに出ることにした。


『ごめん。生徒の自転車がなくなったみたいでこれから探しに行ってくる。また連絡する』

俺は急いで潤にLINEを送った。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ