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Treasure of life

第11章 After the rain

side M


「智くん……」

「……潤、ほんとに大丈夫なの?俺、途中で止められる自信ないよ?」

「…大丈夫。こわくないから」


ドクン、ドクンと心臓の音がうるさい。

智くんが俺の胸に手を当てる。

「潤、緊張してる?」

その問いかけにコクっと頷いた。

「俺も…」

「うそだ」

「うそじゃないよ」

そう言って智くんは俺の手をとって自分の胸にあてた。

智くんの鼓動が伝わってくる。

「好きな人とこういうことするの、俺だって緊張するよ」

智くんもおんなじ気持ちなんだ……。

ホッとしたと同時に少し嬉しくなる。



怖くなんかない。

智くんとひとつになりたい。

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