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Treasure of life

第11章 After the rain

side M

朝、コーヒーの香りが鼻を擽って目が覚めた。

「ん…おはよ、智くん」
「あ、おはよ、潤」

キッチンに立ってコーヒーを淹れる智くん。

様になってて、カッコいいなあ。

「いい匂い」
「潤てコーヒー飲めるっけ?」
「智くんと別れてたときに飲めるようになったんだよ?砂糖とミルクは入れるけど」
「そっか!大人になったなあ」

智くんは俺の頭をワシャワシャと撫でた。

「だーかーらー、そうやって子ども扱いするなって言ってんじゃんっ」
「ははっ」

こうやって一緒に笑えるのが幸せだなあってつくづく思う。

「ふふっ」

智くんに後ろから抱きついた。

「なんか今日の潤、甘えんぼだなあ」

そう言うと、智くんは俺の方に向き直ってギュッと抱きしめてくれた。



だって嬉しいんだもん、こうしてあなたといられることが。

俺らの関係なんて、またいつどうなるかわからない。

でも今は一緒にいられる悦びを感じていたい。


愛してる、なんて難しいことはまだ言えないけど。

智くんが大きな愛で包んでくれるから

俺もそれに応えたい。


俺はあなたのことをずっと好きでいたいんだ。



<おしまい>

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