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Treasure of life

第13章 Perfect Night

「は〜、いい景色」

思わず感嘆の声をあげる。

3月の風はまだちょっと冷たいけど。

この美しい風景にしばらく目を奪われていた。

それは隣にいる智も同じみたいで。


「ここで絵描いたら最高じゃない?」

「そうだね、捗りそう」

風がヒュウッと俺らの髪を靡いた。


俺は、最近ふと考えていたある思いを口にした。

「俺さ、絵を描いてみようかな、って思ってるんだよね」

「そうなの?潤やった方がいいよ!俺、前から言ってたじゃん」
と智は期待に満ちた目を向けてくる。

「おしえてくれる?」

「俺、独学だよ?」

「全然いい」

「じゃあ今度うちおいで」

「はい!よろしくお願いします、先生(笑)!」

俺がそういうと、智ははにかんだように笑った。


俺は、少しでもあなたに近づきたいんだ。

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