
Treasure of life
第2章 モノグラム
それは、潤くんに突き放された日のこと…。
潤くんに「好きじゃない…」と言われ…、親からも勘当され、俺の居場所なんてない…と、とぼとぼ歩いていた。
俺がもしも人間だったら…潤くんと一緒にいられた……?
「人間になりたい…」
俺は自分にしか聞こえないような小さな声で呟いた。
すると、どこからか光が放たれて、目の前にマントを羽織った背の高い人物が現れた。
「お呼びかな?」
「あんた誰よ?」
「俺は新人魔法使いのマジカルまさき」
「あ、あんたがマジカルまさき!?潤くんが言ってた…。あのとき俺を助けてくれたの?」
「そう。困ってる人を見ると放っておけなくてね」
「その…あのときは…ありがとう。
あなたって魔法使いなの…?」
「魔法使いです」
「じゃあ…願い事って叶えられるの…?」
「叶えられるよ」
「…そう…。
でも俺、ここにいるべきじゃないのかな…」
「…もうちょっと待ってみたら?
大丈夫だよ。松潤が自分の気持ちに気づくと思うから…」
それからマジカルまさきは、潤くんが来るまで一緒にいてくれた。
