
Treasure of life
第3章 このままもっと
収録が無事終わり、翔ちゃんとウチで飲んでいた。
他愛もない話をしていたら、翔ちゃんが真面目な顔になって話を切り出した。
「智くんは自分の良さに気づいてないんだよ」
「え?」
「あなたがリーダーだから皆ここまでこられたんだよ。普段何も考えてないように見えるけど、本当は誰よりもメンバーのことを見てると思う」
「そう…かな?」
「あなた皆のこと大好きだもんね?」
翔ちゃんは優しい口調で続ける。
「うん。まぁ…」
「いつも気にかけてくれてるし、皆もあなたのこと、なんだかんだ言いながらも尊敬してるんだよ」
「ほんと…?」
「ほんとだよ。でなきゃ18年も一緒にやってこられないでしょ。
俺もすげー感謝してる。ありがと」
「翔ちゃん…」
翔ちゃんの言葉に涙が零れた。
そんな俺を優しく抱きしめてくれる。
「ダメだ…。最近、涙腺が…」
「ははっ。俺らも年とったね」
翔ちゃんがそう言ってくれるなら、リーダーやってて悪くはなかった…のかな。
こんな頼りない俺についてきてくれてありがとう。
嵐がこの5人で良かった―――……。
