
Treasure of life
第4章 どこにでもある唄。
皆が帰ったあと、和と2人きりになった。
「和、ありがとう。和が気付いてくれなかったら俺…」
「大丈夫だよ。
全部を忘れることはできないかもしれない…。
けど、俺が…救うから」
「でも俺…こんなに汚(けが)れてるんだよ」
「俺はそうは思わない。
俺のなかの潤くんは、真面目で優しくって、皆のことを誰よりも一番に考えてて…。でも、どこかほっとけないの。だから…」
「…だから?」
「だから、つまり……潤くんのことが大好きだから、俺がそばにいていい…?」
そう言うと和は両手で顔を覆ってしまった。
「嬉しい。
和…、俺のそばにいて、ください」
嬉しさのあまり反射的に笑みがこぼれると、和もはにかんだ笑顔を見せた。
ここに居場所はあった。
見つけたんだ。
和と皆のおかげで―――。
<おしまい>
