
オオカミは淫らな仔羊に欲情す
第12章 予期せぬ……
「なら、オレとかが、立候補しても差し支えねぇ
よな?」
「え ―― っ、それ、どーゆう……」
竜二は絢音のすっきりボブヘアーをよしよし
するように撫でる。
そして、そのままの流れで2人はキスをした。
唇が離れ、そのあんまり優しい感触が
嬉しかった絢音は
「もう1回」
図々しくもキスのおかわり要求。
竜二が絢音の身体を引き寄せ、
今度は深くて熱いキスをする。
「んン……っ」
きもち、い……。
うわぁ、マジ、竜二のキスって、めちゃくちゃ
気持ちいい!
絢音も竜二の頭を引き寄せ、キスを深くする。
そして、2人は床に倒れ込んだ。
頭の隅では色んなことが過った。
おいおい、この男は学校の先生っ!
とか
けど、この気持ち良さは捨て難い……。
とか ――
生理、終わって何日目だっけ? とか……
「―― おい、何考えてる?」
「えっ……」
「このままだとオレ、最後までヤッちゃうけど」
「一応、聞いてはくれるんだぁ ―― ココ、
こ~んなに硬くしてるのに」
「そうやって余裕ぶっていられんのも、
今のうちだぞ」
そうやって会話を交しているうちにも、
2人の顔の距離は徐々に狭まっていく。
「……じゃあ、もっと触って欲しいとか、触りたいとか
もっとキスして欲しいとか、その先にだって進みたい
とかって思ってたの、私だけやないん?」
「オレ、これでも一応高校の先生やってるから、
卒業するまで待とうとは考えてた」
「なら、どうして?」
紙一重 ――、
互いの熱い吐息もはっきり感じ取れる至近距離で
じっと見つめ合う。
「お前を他の野朗に取られたくない」
「私だって同じ」
と、自分から竜二を抱き寄せ口付けた。
