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オオカミは淫らな仔羊に欲情す

第12章 予期せぬ……

  当然といえば当然だけど、
  酒に酔った勢いで寝てしまった先生の腕枕で、
  目覚めた朝の衝撃と気まずさは半端なかった。


「んン~っ……はよ~、今、何時?」

「ん、あともう少しで7時、かな」

「あぁ……んじゃ、そろそろ起きなきゃ……」


  そう、言いつつも起きられないのは、多分、
  昨夜異常なくらいハッスルしてしまったせい?

  おかげで、腰の辺りが重苦しいし、まだ、
  アソコに何かが挟まってるみたいな感じがしてる。

  その日は土曜日。

  竜二は日勤、絢音は休みだがバイトはあるので、
  マジそろそろ起きなきゃ遅刻するかも、なのです。


「朝ごはん作るからさっさと起きてよねー」


  と、半身起こしベッド脇に足を下ろして、
  普通に立ち上がろうとしたんだけど……あ、れっ?

  なんか、変。足に力が入れられない。

  竜二はその理由が分かってるような目つきで
  絢音を見てる。


「な、なによー?」

「べつにぃ」


   (ムカつく ――)


  当人が分かってないのに、分かった風な
  顔しないでよっ!

  力が入らないのに、無理して立ち上がろうとした
  もんだから、絢音はその場にヘナヘナと
  しゃがみ込んでしまった。


「……腰、抜けたか」

「は?」

「無理すんな。飯はオレが作る」


  竜二は一糸まとわぬ姿=すっぽんぽんで
  キッチンへ行ってしまった。


「ばか竜二。パンツくらい履きなさいよ!」


  ここいらに、16才というお互いの年齢差や
  酒に流されてのセッ*スという気まずさが
  表れてるのかも知れないけど、
  目覚めてから出勤するまで、竜二は全くいつもと
  同じで。

  ―― いや、もしかしたら、いつもよりは
  優しかったかも?  


  2人で朝ごはんを食べ、一緒に出勤した頃には
  目覚めた時の気まずさは
  すっかり消えてなくなっていた。

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