テキストサイズ

オオカミは淫らな仔羊に欲情す

第8章 学校にて


  **大学附属港南台高校、職員室 ――。


「さめじま先生~っ。どうなんですぅ? その後、
 定時制部のロクデナシ共は」

「ロクデナシ、と、申しますと?」

「あの悪タレ、和泉達に決まってるでしょっ」

「あ、あぁ……ハナシだけはしましたけど、皆んな
 普通にいい子達ばかりじゃないですか」

「普通?? 何処がですか?!」

「特に悪い事はしてませんし」

「してるじゃないですかっ! 喧嘩もサボりも
 万引きもっ、イジメと強請(ゆす)りまで!」


   (イジメに強請《ゆす》り?? いつの間にか
    増えてるよ……)


「いや、それ、もしうちの生徒がやってるのだ
 としたら、犯人は別の奴ですよきっと」

「何を根拠にそんな事言ってるんですか。
 証拠はあるんですか? 証拠は」

「あ、いや、それは、ないですけど……」

「あいつらが、一体どんな言い訳をしたんだか
 分かりませんがね、それをそのまま鵜呑みにして
 どうするんです?? 全く! いっそ退学にでも
 なるような事をしてくれりゃあいいものを……
 それもしない」

「あいつら悪知恵だけは良く働きますからねぇ……
 さめじま先生? あなたに手を上げるなとは
 言いましたけど、あなたが巻き込まれるのは一向に
 構いませんから。
 押さえるべきは、現場の証拠ですよ~」


  ムカッ、

   (そーゆう事かい……!)

  何となく読めたよ。
  あんたらのセコい思惑がっ。
  

ストーリーメニュー

TOPTOPへ