こんな日は抱いて欲しい
第13章 ふたりっきり
「僕は恋してる時間が大好きです。
何となく優しい気持ちになれるんですよね。
心に余裕が出来て、ほんの少しの辛さなんて吹き飛ぶくらい、恋する気持ちは強い。
そんな恋をしている時の自分が好きです。
今の早穂ちゃんはそんな時間が流れてるんですよね」
「うんうん。
私も先生と同じ。
そんな時間が好き。
そして、その時間の中に居る自分が好き。
今はご無沙汰してますが、またそんな自分に会いたい」
「真由子さんなら会えますよ。
僕は真由子さんのような人に幸せになって欲しい」
「先生………」
「本当は誰よりも健気な女の子なのに、真由子さんはピエロになれる。
みんなを和やかにしてくれる優しさがある。
僕はあなたと居ると、自然に顔がほころんでしまう。
笑う事……僕は忘れて生きてきた。
でも、今は真由子さんや早穂ちゃんに出会えて、ちゃんと笑ってる」
「……………笑わせますよ!
これからも。
先生がお腹抱えて、息苦しくなるくらい。
笑いで窒息寸前にしちゃう。
鏡を見る度に気にしてしまうほど、笑い皺を増やしちゃいますから。
いつも笑顔の先生で居られるように笑わせます」
「真由子さん……
ドキッとしました。
キュンとしました」
本心ですよ。
先生!!