幸せの欠片
第2章 再会
一方的に話す訳でもなく、俺にも相槌以外に “言葉“ で返すようにさりげなく振ってきて
あっという間に相葉さんとの会話が成り立つんだから
ー…そう言えばあの時もそうだった
店に入ってから、途端に警戒心を剥き出しにした俺を
なんなく会話に参加させ、あっという間にその警戒心を忘れさせていたっけ
「相葉さんって、話上手ですよね」
少し会話が途切れた処で、何となく言って見たくなった
「そうかな?」
不思議そうに首を傾げるとこを見ると、自覚なしって奴だろうか
「俺ね、人と話すの得意じゃないんですよ。…でも、何でか貴方は俺から言葉を引き出してくれる」
「…ごめん、迷惑だったかな」
相葉さんの眉が少し下がった
何か悪い方に考えてしまったらしい
「違います。自分でも不思議だけど、…楽しいんです」
これまた、自分には珍しく
自然と笑顔になっている俺がここにいて
「…そっか、安心した」
“嫌がられたらどうしようかと思った“
相葉さんはそんな俺を見て、頬を緩ませた