幸せの欠片
第16章 誓い
「ごめ…っ、ちょっと待って…!」
ズズズッと勢い良く鼻を噛んだ相葉さんは、鼻を真っ赤にして止めどなく涙を溢れさせている
その予想外の号泣にどうして良いか困って、話を止めるしかなかった俺は
何故そこまで他人の事で泣けるのかが不思議でならなかった
割とクールだと思っていた彼が、俺の話でこんなにも泣いている
「はい」
泣きながらテーブルを彷徨う手に、ティッシュを探してるのに気付いて差し出せば
「ん、ありがと」
それを受け止った相葉さんが再び思いきり鼻を噛んだ
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涙は止まったものの、未だ目を真っ赤にしている相葉さんが苦笑しながら
「みっともないとこ見せてごめん」
俺に小さく頭を下げる
「ううん…」
何て返して良いか分からなくて、首を振ると
ふ、と息を吐いた相葉さんがそっと俺の手を握った
「軽い話じゃないのは薄々感じてたけど…予想を遥かに超えてた」
そう話す相葉さんの瞳がまたじわりと潤む
居心地が悪い
少し乱暴にティッシュを渡し、それを拭って貰った