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幸せの欠片

第16章 誓い


「ごめ…っ、ちょっと待って…!」

ズズズッと勢い良く鼻を噛んだ相葉さんは、鼻を真っ赤にして止めどなく涙を溢れさせている

その予想外の号泣にどうして良いか困って、話を止めるしかなかった俺は

何故そこまで他人の事で泣けるのかが不思議でならなかった


割とクールだと思っていた彼が、俺の話でこんなにも泣いている


「はい」

泣きながらテーブルを彷徨う手に、ティッシュを探してるのに気付いて差し出せば


「ん、ありがと」

それを受け止った相葉さんが再び思いきり鼻を噛んだ


******

涙は止まったものの、未だ目を真っ赤にしている相葉さんが苦笑しながら

「みっともないとこ見せてごめん」

俺に小さく頭を下げる

「ううん…」

何て返して良いか分からなくて、首を振ると
ふ、と息を吐いた相葉さんがそっと俺の手を握った


「軽い話じゃないのは薄々感じてたけど…予想を遥かに超えてた」

そう話す相葉さんの瞳がまたじわりと潤む

居心地が悪い

少し乱暴にティッシュを渡し、それを拭って貰った

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