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幸せの欠片

第7章 “好き“ のキス


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ここに連れて来られた意味

“ゆっくり話したい“

相葉さんはそう言った


だけどそうは言われても

何を話せばいい?
どこまで話せばいい?

相葉さんは、俺の何を聞きたいの?


カップの中身が終わって、訪れた静寂

自分から切り出す事は出来なくて
…相葉さんも言葉を選んでいるのか無言で

向かい合ったまま、互いの息遣いだけが聞こえている



「あの、さ…かず」

その静寂を破ったのはやっぱり相葉さんからだった

「うん」

「気になる事はいっぱいあるんだけど、……一番気になった事、いい?」

「…うん」


何を聞かれても、上手くはぐらかせるだろうか

まだそんな事を思いながら

少し、身構えた






「もう一度、キスしたい」

「……え?」

だけど相葉さんから出た言葉は、全く持って頭に掠りもしなかったもので

何を言われたのか、瞬時には理解できなかった

「あの、…」

今、何を言われた?
相葉さんは……

何て言った?


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