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幸せの欠片

第9章 あめ、くるま、…そして、あか


なにがおきてるのかさっぱりわからなかった

わかるのは、おかあさんがたおれてて
あたまからちがいっぱいでてて


「君を守ったんだよ」

ぼくをつきとばしたのはおかあさんで

くるまにひかれそうになったのを、おかあさんがたすけてくれたこと


だけどいま、たくさんのおとながおかあさんのまわりにたっているからおかあさんがみえない

「ねぇ、おかあさんは?」

よくわからなくても、なんだかこわいことになってるのはわかる


「今、救急車が来るから」

おじさんが、タオルでぼくをくるんでくれた

「おかあさんは?」

「大丈夫だ。心配するな」

なぜか、おじさんがうそをついてるとおもった

だいじょうぶなんかじゃない

「おかあさん!おかあさん?!」
「行くな!」

ぼくはおじさんをふりきっておかあさんのところまではしった

おかあさんのまわりにたつおとなをかきわけて、おかあさんのまえにいった



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