幸せの欠片
第9章 あめ、くるま、…そして、あか
だけどやっぱりおかあさんはうごかなくて
「おかあさん?…おかあさんってば!」
うごいてよ
“かずなり“ ってよんでよ
なんでうごかないの?
おかあさんはどうなっちゃったの?
ぼくはまたさっきのおじさんにつかまえられた
「あまり見るな」
そういって、ぼくをだっこした
でもおかあさんがそこにいるのに“みるな“ っていわれるのがわからない
「でも、おかあさんおこさなきゃ」
「もう救急車が来るから」
「きゅうきゅうしゃがきたらおかあさん、おきる?」
「…大丈夫だから、ここにおじさんといよう」
だっこするてがぼくをギュッとした
「…うん」
そのつよいちからに
そばにいったらいけないんだと、りかいできた
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サイレンがきこえて、きゅうきゅうしゃがおかあさんをのせてはしりだした
ぼくはけいさつのひとにいろいろきかれた
わかることだけこたえたら、こんどはパトカーにのせられた