テキストサイズ

幸せの欠片

第10章 いらない


おかあさんのまえにたったまま、なにもいわないおとうさんをみて

「…っ」

またぼくはうごけなくなった

おとうさんも、ぼくをにらみつけていたからだ



そのめは、おにいちゃんいじょうにこわかった
…こわすぎて、めをはなすこともできなくなった


「おとう、さん」

なんとかこえをだすことができたぼくを、おとうさんはさらににらみつけた



「…お前がバカな事をしなければ」

きいたことのないひくいこえ

…おとうさんのいかりがぼくにつきささる


「ごめんなさい…っ」

ふるえるのをいっしょうけんめいおさえてあやまるけど

おとうさんのこわいかおはかわらない

いつものやさしいおとうさんは、そこにはいなくて

おにいちゃんといっしょに、ぼくをにくんでるのがわかった

あやまってもゆるしてはくれない


それがわかっても、ぼくにはあやまることしかできなくて


「ごめんなさい…っ、ごめんなさい…」



おとなしくなったおにいちゃんをはなしたおまわりさんがぼくをおこして、たたせてくれてすぐに


…いわれてしまった





ストーリーメニュー

TOPTOPへ