幸せの欠片
第11章 精一杯の勇気
このところ、同じ夢を良く見る
多分それは相葉さんと過ごす時間を “幸せ“ だと思うようになってからだ
遠い日の記憶
勿論忘れてなんていない
だけど年月が経てば、人間は色々な記憶が上書きされてそれを忘れる瞬間はあるのに
それは生きている以上仕方ない事なのに
まるでそれを許さないとでも言うかのように、あの日の出来事を鮮明に映し出す
ー…幸せになる資格なんかない
無意識に、そう責められてるみたいだ
そんな事は分かってる
幸せになろうなんて思ってない
それに
どうせ俺には時間がないんだから、なりたくてもなれないし
なるつもりだってない
だけど
少しくらい “幸せ“ な時間が欲しい
そう思い始めている自分がいる事に気が付いた
自分には、その細やかな時間も許しては貰えないのだろうかと
…叫びたくなる衝動を感じ始めてる事に
これを全て、相葉さんに話したらどうなるだろう
ー…話したところで過去が変わるわけじゃないけれど