幸せの欠片
第11章 精一杯の勇気
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《今日は、何時に終わる?》
テーブルに置いていたスマホに表示されたメールを開いて、一瞬首を傾げた
昼休憩の今、相葉さんからメールが来るのは初めてだ
だって今日はまだ水曜日だし
相葉さんと会うのは週末だと何となく決まっている
約束したわけじゃないけど、お互い仕事があるからと自然にそうなった
メールで返しても良かったけど、多分これを送ったと言うことはきっと向こうも休憩なんだろう
だったら直接話せばいいか、と履歴を開いた
2回と鳴らずに繋がる電話
『もしもし、かず?』
どことなく嬉しそうな声に、頬が緩む
「うん。…今、休憩中?」
『そうだよ。だからメールした』
ガサガサした音が聞こえる
もしかして、食事中だった?
「ごめん、昼飯食べてた?」
ー…それなら切らないと
そう思って訊ねると “もう終わったとこ“ と相葉さんが笑った
『かず、今日は定時?』
「そうだけど、何で?」
別に普通の会話だ
なのに、相葉さんがいきなり吹き出した