幸せの欠片
第13章 想いが繋がる瞬間
「もっと…俺に溶けて」
耳から首筋に移った唇がゆっくりと筋をなぞるように動き
項に近い場所をチクッとした痛みが襲った
何の痛みかは、すぐに分かった
「ちょ…っ、痕、付けた?」
この小さな痛みはキスマークを付けた痛みだ
「目立たないから、大丈夫」
クスクス笑ってそこに舌を押し付けられる
大丈夫なんかじゃない
見る人が見たら分かる筈だ
「もう…っ」
なのに
“ワイシャツをきっちり着れば問題ないよ“ なんて勝手な言い草に、思わず吹き出してしまった
「どうしたの」
急に笑い出した俺に、相葉さんが首を傾げる
「ううん、なんでもない」
悪びれない台詞に、“それもそうか“ なんて考えた自分がおかしくなっただけだ
こんなとこにも “特別“ が存在したのに嬉しくなっただけ
ふーん、とあまり納得はしてない顔をした相葉さんが、再び触れるだけのキスをする
そして、笑う俺を封じるように
片手を脇腹から胸に掛けて、ゆっくりと滑らせた