自分であるために
第6章 ベストカップル賞
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あれから一週間ほどした土曜日の朝。初めて行ったラブホテルの前で待ち合わせをした。
「二度目まして」
なんて薫が言うものだから笑ってしまった。薫は、こないだと同じ某キャラクターの部屋を選んだ。どうやら気に入ったようだ。俺は大きな黒のキャリーケースを持ってきている。
「わぁぁ! 京、かっこいい!」
薫は俺の姿を見て、目を輝かせる。今日の俺の服装は、青文字系ファッションの憧れのモデルさんがしていたような皇子ファッション。
「ありがと。ちゃんと持ってきたよ。ほら」
「わぁぁ! 可愛い!!」
キャリーケースを開けると出てきたのは、白とピンクの配色が絶妙でレース使いが繊細でアニマル柄のJSKにピンクの姫袖ブラウス。
「京に釣り合うお姫様になれるかしら?」
「薫なら可愛すぎて、むしろ俺があーあって見えるかもよ?」
「大丈夫、京はかっこいいから!」
「ありがと。じゃあ、着替えたら言って」
「はーい!」