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自分であるために

第6章 ベストカップル賞

「さっ! これ、行こっか!」

「え? まじで?」

「まじまじ!」

 薫が手に持っていたのは文化祭のパンフレット。

「ここの文化祭なら大丈夫だよ! クリエイティブ系の専門学校だから紛れられるよ!」

「まぁ、薫が行きたいならいいよ」

「やったッ」

 薫が嬉しそうにしているからまあ、それはそれでいいのかなぁと思った。特に知り合いがいる話を聞いたこともないし。

 俺たちはホテルを後にして、キャリーケースを駅のコインロッカーに預けて、文化祭へと向かった。

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