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自分であるために

第6章 ベストカップル賞

        ***

  食べ終わってからひと通り、文化祭内の雑貨屋さんを回る。薫はパワーストーンのブレスレットの前で立ち止まる。

「お姉さん、気になるんですか?」

【恋に効くお守り】

「これ、プレゼントしてあげよっか?」

「いいよ、いいよ」

「こないだのお礼。これ下さい」

「ありがとうございます。あ、これもし良かったら、参加どうですか?」

 そう言って店員の学生さんが渡してくれたチラシには、ベストカップル賞14:00~の文字とイラスト。

「俺た……」

「ありがとう! 参加してみるね! それ、すぐつけたいな」

「ちょっ……薫?!」

「大丈夫だよっ!」

「ありがとうございました!」

 薫は、俺の手をぐいぐい引いて、進む。

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