自分であるために
第11章 アタシの気持ち
セミロングになったアタシの髪を京が撫でる。
「へへっ、実はさ……」
父親に話したことをアタシは話した。
「おお! やるじゃん!」
「でね、女の子になるのはまだ先だけどさ、女の子になる前に伝えたいことがあって。アタシね、初めて出逢ったあの時から京のことが好き。アタシと同じ悩みを抱えているんだって知ったあの時から。ねえ、京、一目惚れって、運命って信じる?」
「嘘……」
京は驚いた顔で呟いた。それでも、アタシは言葉を続ける。
「それだけじゃない。京は、かっこいいだけじゃなくて、可愛くもあって、一緒にいればいるほど想いは強くなった。女の子になってから伝えることもできたけど、アタシはアタシを見て欲しい。それに京を誰かに取られるなんて嫌だ。でもね、答えは急がないから。急にこんなこと言われても困るだろうし」
「ううん、ありがとう。今、答えたい。答えさせて」
アタシは京の答えが怖くて、俯く。
「俺な、薫の気持ち知ってたよ?」
「えっ?!」
アタシは勢いよく顔をあげる。
「だって、薫分かりやすすぎだもん。だけど、どう扱っていいか分からなかったから」
「ご、ごめん」
「ううん、謝ることじゃないよ。俺も薫のこと好き。あの時、俺のこと気持ち悪いって言ってきた女の子に本気で怒ってくれた時から。それに薫の努力家のところとか一緒にいて楽しかったり、落ち着くところとか。俺も薫のおかげで決めれたことがある。俺は、メイクアップアーティストになりたい。あと、俺、他にも決めたことがある。この胸は嫌だから小さくするけど、性別は変えないことにした。薫のおかげで俺は俺のままでいいんだって思えたから。薫が性別を変えることを決めたように俺は性別は変えないでありのままで生きることに決めた。それでもいい? 性別なんて関係ない、あの時の言葉を信じてもいい? って、うぉ! なんで泣くのさ?!」
「だって。嬉しくて。京が出した答えならいいに決まってるじゃん! アタシは、どんな京でも好きだし、どんな京でも応援するよ! 殺人とか麻薬とか窃盗とかの犯罪意外なら!」
「薫……」
「って、京も泣いてるじゃないの!!」
その夜、アタシたちはぎゅってしながら、手を繋いで眠りについた。好きと行為は別物。お互い、自分が納得のいく姿になるその時までお預けにしようという話をした。
「へへっ、実はさ……」
父親に話したことをアタシは話した。
「おお! やるじゃん!」
「でね、女の子になるのはまだ先だけどさ、女の子になる前に伝えたいことがあって。アタシね、初めて出逢ったあの時から京のことが好き。アタシと同じ悩みを抱えているんだって知ったあの時から。ねえ、京、一目惚れって、運命って信じる?」
「嘘……」
京は驚いた顔で呟いた。それでも、アタシは言葉を続ける。
「それだけじゃない。京は、かっこいいだけじゃなくて、可愛くもあって、一緒にいればいるほど想いは強くなった。女の子になってから伝えることもできたけど、アタシはアタシを見て欲しい。それに京を誰かに取られるなんて嫌だ。でもね、答えは急がないから。急にこんなこと言われても困るだろうし」
「ううん、ありがとう。今、答えたい。答えさせて」
アタシは京の答えが怖くて、俯く。
「俺な、薫の気持ち知ってたよ?」
「えっ?!」
アタシは勢いよく顔をあげる。
「だって、薫分かりやすすぎだもん。だけど、どう扱っていいか分からなかったから」
「ご、ごめん」
「ううん、謝ることじゃないよ。俺も薫のこと好き。あの時、俺のこと気持ち悪いって言ってきた女の子に本気で怒ってくれた時から。それに薫の努力家のところとか一緒にいて楽しかったり、落ち着くところとか。俺も薫のおかげで決めれたことがある。俺は、メイクアップアーティストになりたい。あと、俺、他にも決めたことがある。この胸は嫌だから小さくするけど、性別は変えないことにした。薫のおかげで俺は俺のままでいいんだって思えたから。薫が性別を変えることを決めたように俺は性別は変えないでありのままで生きることに決めた。それでもいい? 性別なんて関係ない、あの時の言葉を信じてもいい? って、うぉ! なんで泣くのさ?!」
「だって。嬉しくて。京が出した答えならいいに決まってるじゃん! アタシは、どんな京でも好きだし、どんな京でも応援するよ! 殺人とか麻薬とか窃盗とかの犯罪意外なら!」
「薫……」
「って、京も泣いてるじゃないの!!」
その夜、アタシたちはぎゅってしながら、手を繋いで眠りについた。好きと行為は別物。お互い、自分が納得のいく姿になるその時までお預けにしようという話をした。