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好きって言わない!

第24章 Dishonest love。





M side




求めたらダメ。
欲しがったらダメだ。





S「ん・・・」





M「っ・・・!!」





寝返りを打った櫻井の腕が、俺の肩にポンと乗る。
そのまま、きゅっと抱きしめられた。




それだけで、体が熱くなる。
心が震える。




このままではダメだ。
櫻井の腕から逃げようとするが、腰が痛くて思うように動けない。




無駄にもぞもぞしていると、ピクリと櫻井が動いた。




S「・・・ん、あれ、起きたのか・・・?」




大きなあくびをしながら、櫻井がまた俺を抱きしめる。




S「今何時・・・?」




M「メガネなくて・・・見えねぇ。」




S「ああ、お前そんな目悪いんだ。」




ふふ、と耳元で笑う。
やめてくれ。




S「コッチ向けば。」




M「・・・・・。」




チラっとだけ目線を向けると、
櫻井の顔がすぐそこにあって・・・




M「ん・・・・・、」




キスをする時に髪を撫でるのはこいつのクセなのかな。
もしそうならやめた方が良い。
大事にされてるって勘違いされるぞ。




俺みたいなバカな奴に。





櫻井の指がサラサラと髪を通るたびに、胸がときめいた。




このまま、俺も櫻井に手を伸ばす事が出来たら良いのに・・・




S「またさせてね。」




M「・・・・・。」




俺の体を気に入ったんだろうか。
セフレになれって言ってんのかよ。




ご機嫌な櫻井が、また俺の髪を撫でる。
悔しい・・・
最低な事をされたのに。
最低な事を言われてるのに。




もう嫌いになれない。





S「キスして良い?」




M「・・・どっちでも良い。」




あははっと声をあげて笑う櫻井。




S「お前、本当に面白い奴だな。」




グッと引き寄せられて腰に激痛が走ったけど、なんでもない顔で我慢した。




M「ん・・・・・、」




相変わらず、優しいキス。




泣けてくるくらい。




翔・・・




心の中で呼んでみる。




こんなに切ないキスをしたのは、生まれて初めてだった。









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