好きって言わない!
第31章 selfish。
二宮、失敗したかもしれない。
A「ねぇ、にのちゃん・・・。」
からかい半分、心配半分で松本に仕掛けてみたんだけど・・・
だって、お互い意識してそうなのに。
エッチだってしてんのに。
付き合ってないとか言うんだもん。
A「・・・にのちゃん。」
でもまさか翔のやつ、告白してきた女の子とキスするなんて思わなかった。
どんだけ見境ないんだ・・・
“ さっきの?3年の先輩だよ。
キスしてくれたら諦めるって言うから。
吹奏楽部のマドンナだぜ?
変な噂立てられたくないだろうし、他言なんかしねーよ。
その辺はちゃんと見極めてっから。”
“ わりと好みだったけど。
同じ学校で遊び相手作るわけにいかないからなぁ・・・
まぁ、仕方ないね。”
いやでも勿体無かったなぁ、と笑う翔に本気で地獄に落ちろと思った。
こいつにキャーキャー言ってる女ども、これが白王子の本性だぞ!
だいたい、同じ学校の松本に手を出しておいて何言ってんだって話だ。
てかどういう経緯でセフレになったんだあいつらは。
A「にのちゃーーーん?」
絶対に先に手を出したのは翔だろうけど、松本が受け入れたってのが信じられない。
まさか、弱味を握られてるのか??
と疑ってしまうほどあり得ない事だと思った。
松本って奴は、ああ見えてわりと真面目な性格だ。
若干グレてはいるけど。
セフレがいると翔が話した時にも嫌悪感丸出しだったし、人に対して一定の距離を保つタイプだから・・・
だから、信じられない。
松本が翔のセフレだなんて。
あのプライドの高そうな松本が。
A「にのーーーーーっ!!!」
N「へっ?!」
大声に驚いて、持っていたシャーペンを落としてしまった。
あ、宿題してたんだっけ・・・
A「にのちゃん・・・!!
ゴメンね?俺なにかしたかな?
怒ってるなら理由を教えて〜っ。泣」
N「は?」
土下座する勢いで俺に縋りついているまーくん。
何してんだ??
A「何でもするから許してぇ〜〜〜っ!!」
こっちはプライドが無さすぎる。笑