
more & more
第17章 ふかふか
#N
朝。
風間に声をかけられた。
K「にの〜、おはよ。テスト調子どう?」
N「まぁ悪くないと思う。
そんなに範囲も広くないし。 」
K「さすがだね〜!俺、昨日の英語、
時間内に終われなかったよ〜。」
風間と初めて話したのは夏期講習の時だ。
初日、席につくなり
相葉くんと同じクラスの子だよね?
って声をかけられて、それからなんとなく、
毎日隣の席で講習を受けるようになった。
聞けば相葉くんと風間は小学校の時から
ずっと一緒の学校で、所謂、幼馴染って関係らしい。
いいやつだし、人懐っこいし、
話しやすいやつだなって思う。
ただひとつ、俺が気にくわないのが。
「どうせ相葉くん、今頃ヒィヒィいってるんでしょ?」
「あの人昔っから直前になって焦るタイプだからさ!」
「んで最終、いっぱいいっぱいなると、
もう無理だっ!て諦めモード入っちゃってさー」
これ。
この、"俺は相葉くんを知っている"感。
K「まぁ数学は赤点取らなきゃ万々歳くらい
思ってるんじゃない?笑」
N「・・・でも相葉くん寮でも頑張ってたよ。
俺に数学苦手だから教えてって言ってきたし。 」
←ちょっと対抗。
K「へぇー珍し!
昔っから数学は特に拒否反応起こしてたのに!
でもにのが先生なら相葉くんも大丈夫そうだね〜!
相葉くんにこんな出来た友達がいて俺も嬉しいよ!」
N「いや、別に・・・。」
じゃ、お互い頑張ろうね、と
話を切り上げ、自分の教室に入っていった風間。
悪いやつじゃない。むしろいいやつだ。
なんだけど・・・!!
N「相葉くん相葉くん、ってうるせーな・・!」←!!
小学校からってことはもう10年来の友達ってわけだ。
そりゃ俺より相葉くんを知ってるだろうよ。
おれなんかまだ知り合って半年も経ってないし。
ただ、相葉くんが数学頑張ってたのはほんとだし。
・・・決してのみ込みがいい方ではないけど。
なんか相葉くんが
出来ないヤツ認定されてる感じがヤダ。
しかも単なる悪口じゃなくて
2人の友情みたいな、わかり合ってる感みたいな、
そんな感じが垣間見えるから余計ヤダ。
