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第20章 まんてん
#N
K「おぉ〜い、にの!」
N「おっ。お疲れ〜。」
文化祭前日。前夜祭のために
グラウンドに集まりだした人波の中で、
風間に声をかけられた。
K「なんだよ、これから花火上がんのに
テンション低いな〜。さては相葉くんが
いなくて寂しいんだろ(笑)」
N「バーカ。 」
K「それより、今日は変なやつに
ついて行くなよ?」
N「わかってるわ! 」
ふふ、と笑った風間に、
ほんとにこいつは出来たやつだなぁ、
なんて感心する。
深刻にならないように、わざとそんな風に言って
俺を気遣ってくれてるのがわかるから。
N「…あの先輩の処分、きいた? 」
K「…あぁ、ちょっと重い気がしたけど…
まぁ、よかったじゃん!
もう顔合わせることないし!」
あのあと、松岡先生から報告されたけど、
俺を襲った先輩は退学処分となったそうだ。
まさかそんな重い処分が下されると
思ってなかった俺は、
若干の申し訳なさに苛まれたが、
松岡先生からは、
あいつは前科者だったんだ、と続けて聞かされた。
なんでも、俺の前にも同じように、校内で
いかがわしいことをしようとしたところを
見つかり、3ヶ月の停学処分を受けていたそうだ。
言い訳の余地もなく、現行犯で見つかったこと、
本人に反省の色が見えないこと、
性犯罪は再犯率が高いこと。
総合的にみて、退学が妥当と判断したそうだ。
