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第22章 つれづれ
#N
文化祭が終わると、ひどく退屈な毎日が戻ってきた。
少しづつ風は冷たくなり、
11月の初めにしては
珍しい程気温の低い日が続いていた。
A「おーちゃん、もうすぐ誕生日だねぇ。 」
O「んー?そういえば…そっか。」
N「おめでとう。 」
O「はえーよ。てかなんだその棒読み。」
A「お祝いしなきゃねー!
おーちゃんなんか欲しいものあるー?」
きゃんきゃんと楽しそうな2人を尻目に
目の前のカレーをスプーンでつつく。
平和だなぁ…。
いや、平和じゃなきゃ困るんだけど。
あの試合の日。
卑怯だとは思いつつ、まーくん本人に
涼さんとの関係について聞く勇気がなくて、
潤くんに教えてもらったんだ。
風間の"今の恋人"って言葉から予想はしてたけど
まーくんにとって涼さんは幼馴染であり、
元カノ…ってやつで。
M「別れたことに関しては
俺も雅紀から直接聞いたわけじゃないけど…」
って前置きした後で、聞かされた。
潤くんとまーくんが仲良くなった頃には
まーくんと涼さんはもう付き合っていたらしい。
周囲の人たちが羨むほど仲睦まじく、
何の綻びも見えなかった2人の関係が変わったのが
お互いがスポーツ推薦で進学先が決まった頃。
涼さんから急に別れを切り出され、まーくんは
見ていて痛々しいほどの落ち込みようだったそうだ。
それがなぜ?
"雅紀が好き"
それをまーくんは知っているんだろうか?
もし、涼さんの気持ちを知ったら?
その時は俺がお邪魔ムシってことになるのかな…
