
more & more
第27章 しんしん
N「母はつよし、だなぁ・・・ 」
S「ん?どした。 」
今、コートの上には、
いつも以上に弾ける笑顔で
アップをこなすまーくんがいる。
N「・・・まーくん楽しそう。」
お母さんのひと言で、緊張は
何処かへ飛んで消えてしまったみたいだ。
S「しっかし、全然違うよなー、
ボール持つと。」
N「ん?」
S「雅紀さ。
普段は抜けてるしガチャガチャしてんのに、
試合の時はめっちゃ周りに指示だして
点決めに行くじゃん。ギャップがさ。」
すごいよな、と隣の翔ちゃんが
コートを見たままで独り言のように言った。
・・・ほんと、すごいんだよ。
俺なんて、こんな熱量を持って
何かにのめり込んだことがないから、
バスケしてる時のまーくんを見ると
キラキラしすぎて目が眩みそうなんだ。
N「ねぇ翔ちゃん。」
S「ん?」
N「子供の頃の将来の夢って、何だった?」
S「はぁ?何だよいきなり・・・・」
N「俺はね、プロ野球選手。」
S「お前野球やってたの?」
N「転校が多くてすぐ辞めたけど。
で、翔ちゃんは?」
S「・・・チェンジペガサス。 」
N「・・・なれるといいね。」
S「おい!突っ込めよ! 」
