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第5章 とくとく
基礎練習なのか、1列に並んだ部員たちが
次々とレイアップシュートを決めていく。
N「うわ・・すげ、誰もはずさないじゃん。」
当たり前のように、
次々とゴールが決まっていく。
普通のレベルがわからないけど、
バスケ部の人たちからしたら
こんなの朝飯前なのかな。
N「あ、相葉くんだ。」
ボールを持った相葉くんが走りだした。
流れるような動作で伸ばした長い手足。
綺麗なフォームは空中に一瞬留まり、
シュパッとシュートが決まった音がした。
N「きれー…… 」
普段うるさいくせに、
ボール持つとあんな顔するんだ。
あ、汗だくなのはいつものことか。
しばらくするとキャプテンらしき人が
休憩の号令をかけた。
各々ドリンクをのんだり、
タオルで汗をふく部員たち。
その間をマネージャーらしき女の子が
せっせと動き回っていた。
N「・・・。」
おいマネージャーよ、
相葉くんにだけ声かけが長くねーか?
おーい、他にドリンク待ってるやついるぞー
お前もお前でそんなキラッキラな笑顔みせんなよ!
N (・・・なんかいい感じじゃん。)
ふっとなんだか急に冷めた気持ちになり、
休憩が終わる前に寮に帰ることにした。
席を立ち上がると、部員のひとりが
こちらに大きく手を降っていた。
N「 ・・・誰だ?」
手を降っていたのは、
全く知らない人だったけれど、
明らかに俺に向かって手を降っているようだった。
相葉くんたちの先輩?かな?
無視するのもあれだから、
一応ペコッとお辞儀だけして、
ギャラリーをあとにした。
