痴漢電車
第11章 秘密の家庭訪問
千佳「ごちそうさまでした」
夕飯を食べ終え後片付けをしていると
来客を知らせるベルが鳴った
誰だろう…
千佳「恭子かな…」
来客は珍しく
来てもほとんどが恭子だった
だからまた恭子が遊びに来たと思った
だけど…
千佳「…えっ、先生!?」
亘「…」
覗き穴から確認すると
いたのは恭子ではなく亘だった
どこで誰が見てるかわからないから家に
呼んだ事はない
なのに今、亘は家の前にいる
何故だろう…
亘「…?」
千佳「先生、どうしたんですか?」
亘「寺田に渡してくれって頼まれたんだ
自分は会議で行けないからって」
千佳「何、手紙…」
亘「お母さんに渡して読んでもらうよう
にって」
千佳「…わかりました」
亘「…」
一瞬期待してしまった
誰に見られるかわからないのに
そんな危険を冒してまで会いに来てくれ
たと思った
だけど亘が家に来たのは手紙を渡す為
頼まれたから来ただけ
それだけだった
千佳「…」