痴漢電車
第12章 心の乱れ
尚輝「…」
千佳「怪我、大丈夫なの?」
尚輝「千佳…」
千佳「…」
放課後、千佳は尚輝の様子を見に行った
利き手を怪我し食事をするのも
大変そうだった
千佳「怪我したの利き手だから色々不便
でしょう」
尚輝「…まあね」
千佳「私に出来る事があったら」
尚輝「ありがとう、でも今はなにもない
から…」
千佳「…」
尚輝「何だよ」
千佳「無理してない?」
尚輝「…」
千佳「軽い骨折で済んだからいいものの
結局、試合には出られなかったし…」
尚輝「別に、大丈夫だよ…」
千佳「…」
大丈夫な顔じゃない
平気なふり、元気にしていたが
やはり試合に出られなかったのは悔しい
らしく…
尚輝「大丈夫、だよ…」
千佳「…」
そう言いながらも尚輝の体は震えていた
いつも自信満々で強気な尚輝
けど今は弱々しく…
千佳「町田君…っ…」
尚輝「…!?」
千佳「泣きたい時は…泣いていんだよ…
大丈夫、私しか見てないから…」
尚輝「…っうう」
千佳「…」
気づいたら尚輝を抱きしめていた