痴漢電車
第16章 痴漢の末路
千佳「…」
屋上に一人出ると千佳は手すりを跨ぎ
あと一歩踏み出したら落ちる
ギリギリの場所に
立った
千佳「…結局…私も一緒だな…」
尚輝は言ってくれた、自分と亘は違うと
でもそんな事なかった
自分も結局…
千佳「結局、私も犯罪者だ…」
痴漢で傷つくのは被害者だけではない
周りの人達を傷つけ人生をも
狂わせてしまう
千佳「…」
尚輝や痴漢を苦に自殺した尚輝のお姉さ
ん、そして何より千佳もその
一人だった
千佳「私、もう疲れちゃった…だから…
だからもういいよね…月島先生…」
そう言うと千佳は少しも躊躇する事なく
屋上から勢い良く飛び降りた
千佳の体は地面に強く
打ちつけられ
即死
二度と目覚める事はなかった