痴漢電車
第4章 わがままな男
亘「鍵、渡しとくから先行ってて」
千佳「えっ」
亘「誰が見てるかわからないんだろう?
10階の102号室だから」
千佳「でも」
亘「車停めたらすぐ行くから」
千佳「…わかりました」
亘「…」
亘から鍵を受け取り
10階の102号へ向かった千佳
途中、住民に会ったらと冷や冷やしたが
幸い誰ともすれ違う事なく
部屋に到着した
千佳「お邪魔します…」
真っ暗な部屋、手探りでボタンを探し
電気のスイッチを押した
千佳「…!!」
一瞬で部屋は明るくなり
ある物が千佳の視界に入ってきた
それは考えればある程度予測出来た物で
気になっても見なきゃいいだけ
だけど見てしまい…
千佳「写真、飾るタイプなんだ…」
芳恵と幸せそうに写るツーショット写真
たった一枚、一枚だけだったが
見てると辛くなった
千佳「…」