テキストサイズ

痴漢電車

第7章 恋人ごっこ



芳恵「仲が良いのはいい事だけど学生の
仕事は勉強なんだから、それを忘れない
ように」

尚輝「わかってます」

千佳「…」

亘「…」


すごく怖い
怖くて顔が上げられない
亘は今、どんな顔をしているのか
どんな顔で、どんな気持ちで自分を見て
いるのか

見るのが怖くて…


千佳「…私っ、もう帰ります…」

尚輝「千佳」

千佳「失礼します…」

亘「…」


結局、最後まで亘と顔を合わせる事なく
千佳は二人から逃げるように
その場から去った


尚輝「…」

芳恵「寺田さん、具合でも悪くなったの
かしら」

亘「…」

尚輝「俺も行きます、デート中に邪魔し
てすいませんでした、また学校で」

芳恵「またね」

尚輝「はい、失礼します」

亘「…」


当たり前のように
千佳の後を追いかけてた尚輝
彼氏だからその行為はなんら問題はない


彼氏だから…


亘「…」

芳恵「亘、私達も行こう」

亘「…そうだね」

芳恵「…」


割り切った関係のはず
それは自分自身が一番わかってる
でも割り切れない、大人になりきれない
自分がいた


亘「…」


ストーリーメニュー

TOPTOPへ