こじらせた初恋
第16章 あれから
智 side
今年もまたこの季節がやって来た。
末端冷え性の俺の体を冷やしてくる。
今日は一段と寒いと思ったら雪が降ってきた。
今年は降るの早いなー。
去年は一番冷え込んだあの夜に降っただけだった。
あれから1年か…
雪が降るとあの夜を思い出す。
翔くんと最後の夜。
5人で飲んだ後、翔くんと夜道を歩いたんだ。
雪が降って来て、それを翔くんに教えると空を見上げた。
その顔はとても無邪気だった。
俺はその表情を忘れないだろう。
最後の別れ。
早く家に入れと言っても、返事はいいのに全然入らなくて。
しょうがないから手を振って。
翔くんも振り返してきて。
これが最後だとわかっていて。
その目には涙が浮かんでいて。
やばい。
俺も泣いちゃいそうだと急いで角を曲がったんだ。
曲がった所で、涙が溢れてきて声を抑えて泣いた。
向こうから翔くんの泣いてる声がして。
余計に涙が出たんだ。
翔「さと、し………いかっ…ないでっ……ううう…」
その声に今にも飛び出してしまいそうだったけど。
そうしたら今までの努力が水の泡になると思ったから。
翔くんの為に抑えたこの気持ちを。
無駄にしたくなかったから。
「課長?」
エリちゃんが俺を呼ぶ。
外への視線を外して、仕事の続きをした。
あれから翔くんに会っていない。
家は15分と離れていないのに。
元気にしているだろうか?
時折思い出してはその男の影を俺の中から消そうとする。
今年もまたこの季節がやって来た。
末端冷え性の俺の体を冷やしてくる。
今日は一段と寒いと思ったら雪が降ってきた。
今年は降るの早いなー。
去年は一番冷え込んだあの夜に降っただけだった。
あれから1年か…
雪が降るとあの夜を思い出す。
翔くんと最後の夜。
5人で飲んだ後、翔くんと夜道を歩いたんだ。
雪が降って来て、それを翔くんに教えると空を見上げた。
その顔はとても無邪気だった。
俺はその表情を忘れないだろう。
最後の別れ。
早く家に入れと言っても、返事はいいのに全然入らなくて。
しょうがないから手を振って。
翔くんも振り返してきて。
これが最後だとわかっていて。
その目には涙が浮かんでいて。
やばい。
俺も泣いちゃいそうだと急いで角を曲がったんだ。
曲がった所で、涙が溢れてきて声を抑えて泣いた。
向こうから翔くんの泣いてる声がして。
余計に涙が出たんだ。
翔「さと、し………いかっ…ないでっ……ううう…」
その声に今にも飛び出してしまいそうだったけど。
そうしたら今までの努力が水の泡になると思ったから。
翔くんの為に抑えたこの気持ちを。
無駄にしたくなかったから。
「課長?」
エリちゃんが俺を呼ぶ。
外への視線を外して、仕事の続きをした。
あれから翔くんに会っていない。
家は15分と離れていないのに。
元気にしているだろうか?
時折思い出してはその男の影を俺の中から消そうとする。