テキストサイズ

忘れられない人

第2章 知りたくなかったよ…

季節は冬になり、100円ショップもクリスマスグッズの売り場が設けられた。


毎年、クリスマスの時期になるとテンションが上がる。冬のイベントって言ったら、やっぱりクリスマスだもん!…一緒に過ごしてくれる彼氏いないけど…(涙)



いつものように翔さんとたわいもない話をしてる時、いつの間にかクリスマスの話題になってた。


「しほちゃんは友達とクリスマスパーティーしたりするの?」


『たぶんしないと思います…(涙)翔さんは友達とクリスマスパーティーするんですか?』


私は特に深い意味もなく自然に聞いてた。


「いや…友達とはしないけど…まぁ…ほかの人とはする予定だよ…」


翔さんはとても言いにくそうな感じだった。


なんで急にそんな言い方になったんだろう…。


不思議に思ったけど、なんとなくわかってしまった…。


たぶん…ううん…


きっと…そうだ…



『…クリスマスは彼女さんと…?』




反応を確かめるように恐る恐る聞いてみた。




翔さんは私から顔を背けて…




「…うん…そうなんだ…」



すっごく気まずそうに答えるから、悪いことしちゃったなぁ…って思った。



『そうなんですね♪いいですねー。彼女さんと過ごすクリスマスなんて〜。憧れます♪』



「しほちゃんは彼氏とクリスマス会わないの?」


『私は彼氏いません…。だから、ひとりクリスマスです』


苦笑いして答えると、


「しほちゃん、彼氏いないの!?こんなに可愛い子、ほっとくなんて、周りの男の子は何してるんだよー」


翔さんの言葉に耳を疑った。



今…


可愛い子って言ってくれた…?



そんなふうに感じてくれてるの…?



恥ずかしくて黙っていると…


「大丈夫!しほちゃんは可愛いから、クリスマスまでに彼氏できるって」



『…できたらいいんですけどね〜』



笑ってごまかしたけど…



私は彼氏なんて欲しくないよ…


翔さんに彼女がいるなんて聞いたことなかったから、彼女の存在を知って、私の心はポッカリと穴が開いたみたいになった…






ストーリーメニュー

TOPTOPへ