うちの社長が酷すぎる!
第9章 波乱
重たい腰を引きずるように、会社へ向かう。
来る途中で何度もつまずき、そのたびにイライラが増していっていた。
「…橘です」
受付嬢にそう言って社員証を見せると、いつも笑顔を浮かべてくれる可愛らしい女性は、わたしを見ると冷えた表情を浮かべた。
(……え?なに?)
「…はい、どうぞ」
社員確認が終わり、いつもなら「お仕事頑張ってください!」と明るく言ってくれるのに今日は何もなし。
あきらかに違和感を感じたけど、彼女は機嫌が悪かった、と自己完結してエレベータに乗り込んだ。